環境システム学類 教育目的、教育目標、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー
教育目的
幸福観・共生観・環境倫理といった環境問題に取り組む上で不可欠な人間の内面的素養(環境マインド)を身に付け、環境問題の本質を多面的に理解するための俯瞰的知識と課題解決に必要な専門的知識を有し、さらに持続可能な社会システムを構築するために必要な技能(スキル)である、他者の心理や多様な価値観への理解に基づくコミュニケーション能力、課題の発見から解決に至る過程を論理的・システム的に思考しプロジェクトを遂行することのできる問題解決能力を備えた人材を育成することを目的とする。
教育目標
教養・倫理
- 環境を多面的な視点から考えるため、人文・社会・自然科学などに関する幅広い教養を身に付ける。
- 成長の限界や持続可能性、自然・生態系のつながり、生態系の一員としての人と、人の集合体である集団や社会のつながりを学ぶことによって、人間の真の幸福とは何かを考究し、全てが共に生きることの重要性を理解できる能力を身に付けるとともに、科学技術など学問の発展が環境や社会へ与える影響について多面的に理解し、環境に関する知識・技能を持った専門家としての責任を自覚できる能力を身に付ける。
総合力
- 環境共生科学、社会共生科学、人間環境科学の専門的知識と、それらの相互関係について理解できる能力を身に付けるとともに、環境問題が、自然環境、社会環境、人間環境の複合的な問題であることを理解し、それらを俯瞰的・鳥瞰的に捉えることのできる能力を身に付ける。
- 与えられた課題あるいは自ら発見した課題に対して、その問題の本質を理解し、整理・分析し、解決するための方法について論理的・システム的に思考できる能力を身に付ける。
コミュニケーション能力
- 日本語、英語ならびにその他外国語による読解力、論理的な文章表現力、リスニング力、発表力、討論力などのコミュニケーション能力を身に付けるとともに、民族・思想・階層・言語などの違いにより多様な価値観が存在することを学び、互いに尊重し理解することのできるコミュニケーション能力を身に付ける。
自主学習・プロジェクト
- 環境に関する様々な問題に関して、自ら解決すべき課題を見つけ、継続して調査・学習することのできる能力を身に付ける。
- 与えられた課題あるいは自ら発見した課題に対して、グループで協議して調査・学習することのできる能力を身に付けるとともに、グループ内における自らの立場と役割を理解し、課題解決に向けて総合的にプロジェクトを遂行できる能力を身に付ける。
ディプロマ・ポリシー(学修評価・学位の授与方針)
環境システム学類において所定の期間在学して各課程が定める単位を取得し、以下の能力を身につけた学生に学位を授与する。
知識・技能
- (多目的視点)自然科学、社会科学、人間科学に関する幅広い知識・技能を持ち、環境を多面的に捉えることができる。
- (データ活用力)客観的なデータを用いて正確に分析・判断ができ、自らの考え方を説明することができる。
- (コミュニケーション能力)複数の言語の知識・技能を習得して、多様な人々とコミュニケーションを取ることができる。
思考力・判断力・表現力
- (システム的思考力)環境を多様な要素の影響の関係性として捉えることによって、問題の本質を理解することができる。
- (領域横断的応用力)環境共生科学、社会共生科学、人間環境科学の領域の知識を横断的に用いて、問題を概念化して共通性を抽出し、分析・解決することができる。
- (表現力)自らが行った問題解決への筋道を適切な表現法を用いて説明することができる。
サステイナビリティ志向性
- (社会的責任)自ら獲得した学問的知見を基に、つねに既存の社会の倫理を見直していこうとする責任を自覚することができる。
- (サステイナブル志向)サステイナブルな社会の実現を目指し、他者と協働して環境に関わる課題解決に粘り強く取り組むことができる。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)
環境システム学類は学位授与に必要とされる能力(ディプロマポリシー)を養うために、以下の方針で教育課程を編成する。
知識・技能
- (多面的視点)幅広い知識・技能を持ち、事象を多面的に捉えることができる能力を養うために、1年次から2年次を中心に教養科目(人文・社会系、自然科学・複合領域系)、基盤科目(情報基礎科目、外国語科目、健康・スポーツ科学科目)の中に多様な科目を配置する。
- (体系的配置)環境共生科学課程、社会共生科学課程、人間環境科学課程のそれぞれで必要となる専門知識を修得させるため、各課程の入門科目等の学類基盤科目を1年次後期から2年次前期に配置し、さらに座学と演習から構成される専門基礎科目、学域共通科目、学類専門科目を体系的に配置する。
- (データ活用力)客観的なデータを用いて正確に分析・判断できる能力を養うために、基盤科目、専門基礎科目、学類専門科目の中にデータサイエンス系科目を配置する。
- (コミュニケーション能力)複数の言語を用いて多様な人々とコミュニケーションできる能力を養うために、基盤科目、学類専門科目の中に外国語科目、「環境システム学海外インターンシップ」などのコミュニケーション系科目を配置する。
思考力・判断力・表現力
- (システム的思考力)現象を多様な要素の影響の関係性として捉えることによって、問題の本質を理解することができる力(システム的思考力)を養うために、座学と演習から構成される学域共通科目、学類専門科目の中にシステム系科目を配置する。
- (領域横断的応用力)複数の領域の知識を横断的に用いて、問題を概念化して共通性を抽出し、分析・解決することができる力(領域横断的応用力)を養うために、学域共通科目、他学類専門科目を配置する。
- (表現力)自らが行った問題解決への筋道を適切な表現法を用いて説明することができる力を養うために、1年次前期の導入科目(初年次ゼミナール)、2年次から3年次の学類専門科目の中に「環境システム学演習」などプレゼンテーションを課す科目を配置する。
サステイナビリティ志向性
- (社会的責任)持続可能性に関する基本的知識を身に付け、市民としての社会的責任を自覚する能力を養うために、学域共通科目の中に座学を中心とする倫理系科目を配置する。
- (サステイナブル志向)自ら課題を発見して取り組む継続的学習能力、他者と協働して課題解決に取り組むことができる能力を養うために、学類専門科目の中に「環境システム学演習」などの演習系科目を配置する。
なお本学類の学修成果の評価方針は現代システム科学域カリキュラムポリシー記載のものと同一とする。
アドミッション・ポリシー(学生受入の方針)
環境システム学類は、現代社会が抱える様々な問題を、気候や生態系の変化に象徴される自然環境の問題、人間の内面的な状態に起因する人間環境の問題、人の集合体である社会構造が抱える社会環境の問題の複合的な問題として捉え、地球全体ならびに陸海域の環境と生態系の機能と構造を理解し、生態系の一員としての人類の共生に寄与するとともに、人間の真の幸福とは何かを考究し、地域や世代を超えた持続可能な社会システムの構築に貢献することのできる人材を育成することをめざします。
したがって、環境システム学類では次のような学生を求めています。
- 自然環境、社会環境、人間環境のいずれかに対する強い関心があり、それらについて学ぶための基礎的知識をもっている人
- 論理的な思考力と自ら学ぶ探求心を備え、勉学意欲に溢れる人
- 国際的視野をもって地域社会や国際社会に貢献することをめざす人
- 高い倫理観をもって、環境問題をはじめとする現代の諸問題に取り組む意欲をもっている人
以上に基づき、次の1~4の能力や適性を身につけた学生を選抜します。
- 高等学校における教科・科目を文理ともに広く学習し、高い基礎学力を有していること
- 論理的な思考力を備えていること
- 日本語による高度な表現能力および英語に関する素養を有すること、もしくは数学および理科に関する素養を有すること
- 他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができること
一般選抜(前期日程)
高等学校における教科・科目を文理ともに広く学習し、高い基礎学力を有していることを、大学入学共通テスト、調査書によって評価します。英語小論文型では、論理的な思考力、日本語による高度な表現能力および英語の素養を有していることを、個別学力検査の英語、小論文によって評価します。また、理数型では、論理的な思考力、数学および理科に関する素養を有していることを、個別学力検査の数学、理科によって評価します。さらに、他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができることを、調査書によって評価します。
学校推薦型選抜
高等学校における教科・科目を文理ともに広く学習し、高い基礎学力を有していることを、調査書、推薦書によって評価します。また、論理的な思考力、日本語による高度な表現能力および英語に関する素養を有していることを、小論文、口頭試問・面接によって評価します。さらに、他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができることを、提出書類と口頭試問・面接によって評価します。
社会人特別選抜
大学で学習するための基礎学力を有していることを、出願資格を証明する書類、履歴書、志願理由書によって評価します。論理的な思考力、日本語による高度な表現能力および英語の素養を有していることを、小論文、口頭試問・面接によって評価します。また、他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができることを、提出書類と口頭試問・面接によって評価します。
外国人留学生特別選抜
大学で学習するための基礎学力を有していることを、日本留学試験、最終出身学校の成績証明書によって評価します。また、論理的な思考力、日本語による高度な表現能力を有していることを、小論文、口頭試問・面接によって評価します。さらに、英語の素養を有していることを、TOEFLの成績によって評価します。加えて、他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができることを、口頭試問・面接によって評価します。