大阪府立大学

人間環境科学課程

認知科学・心理学・臨床心理学などの専門的視点から、人間と環境にまつわる根本的問題を鋭く分析し、調和を生む環境システムの実現を目指します。

「人間とは何か?」「環境とは何か?」「人間と環境との望ましい関係は?」このような根本的問題を考えるひとつの手がかりとして、環境を認知する「人間の心の働き」を学ぶという方法があります。本課程では認知科学・心理学・臨床心理学などの多様な専門的視点から、「人間の心の働き」を探究する科目を開講しています。「認知科学Ⅰ・Ⅱ」「環境心理学」「対人環境の認知」「臨床心理学概論」といった認知科学・環境心理学・社会心理学・臨床心理学を専門必修科目として履修し、学問的基盤を形成します。そのうえで、「人間環境科学演習Ⅰ・Ⅱ」「心理検査法」「心の病理学」「文化心理学」などの科目を通して、認知科学・心理学・臨床心理学をはじめとした幅広い心理学領域を履修します。実験や心理検査といった体験的理解を大切にし、それぞれの専門的視点を深めていきます。このような学修を通じて、人間の真のあり方が実現される環境システムを実践的に構築できる力を養成します。

教育目的・教育目標

研究テーマ

研究テーマ01:心理療法での心の動き

心理療法での心の動き

心理療法での心の動きをイメージや身体を手がかりにして研究。

環境システム学類 人間環境科学課程 川原 稔久 教授

心理療法とは表現を通して心の動きを自覚する営みです。そのなかで、絵を描いたり、夢を見たり、箱庭を置いたりするときに、心の動きに気づくという現象があります。このような、言葉以前のイメージやからだの感じを手がかりに心の動きを自覚する現象を、主に事例研究という方法で研究しています。

教員からのひとこと

直感的なイメージやからだの感じが、生きることへの智恵に関わると感じています。

研究テーマ02:建築・都市環境に関する研究

建築・都市環境に関する研究

居住者の行動や価値観など、人の知覚・行動を考慮した人と環境の関係を研究。

環境システム学類 人間環境科学課程 飛田 国人 准教授

人に望ましい温度、光、音、においは、どのようなものなのか。また、環境負荷を小さくするには、環境をどうコントロールし、人はどう暮らすべきなのか。建物内や都市における実態調査・実験・数値シミュレーションを行い、人にも環境にも望ましい空間について研究しています。

教員からのひとこと

データや理論に基づく論理的な思考をする中で、心の中に芽生える根拠のない違和感を大切にしてください。

研究テーマ03:日本人の救済観念の探求

日本人の救済観念の探求

祭りのシンボリズム(象徴体系)を臨床心理学(特に分析心理学)的に分析。

環境システム学類 人間環境科学過程 橋本朋広教授

実際に祭りのフィールドワークを行い、祭りのシンボリズムについて調査します。そして、祭りのシンボリズムを分析心理学的な視点から分析することによって、そこに表現された世界と人間の関係に関する観念、および人間の救済に関する観念などを探っていきます。

教員からのひとこと

一見、心理療法の実践とは無関係に見えますが、実はまったく逆で、イメージ表現への理解が深まります。

研究テーマ04:共感覚に関する認知科学的研究

共感覚に関する認知科学的研究

脳の神経ネットワークから共感覚のしくみを探る。

環境システム学類 人間環境科学課程 牧岡 省吾 教授

数について考えるとき、数字が特定の配置で並んでいるように感じられる数字列形という共感覚があります。脳の中の神経細胞の働きをコンピュータ上で再現することによって、数字列形が生じる具体的なメカニズムを世界で初めて提案しました。

教員からのひとこと

共感覚は、特殊な感覚ではなく、すべての人がもつ、異なる感覚同士を結びつける能力の現れ方の一つです。