大阪府立大学

現代システム科学域 教育目的、教育目標、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー

教育目的

自然科学、社会科学、人間科学の基本的知識に基づいて現象を多様な要素の相互作用としてとらえるシステム的思考力と、複数の領域の知識を横断的に用いて実社会における問題を特定・分析・解決する領域横断的応用力を備え、卒業後も自律的に考え、学び、成長することができ、高い倫理観をもって持続可能な社会の実現に貢献する人材を育成します。

教育目標

教養・倫理

  1. 多面的な視点から物事を考えるため、人文・社会・自然科学に関する幅広い教養を身に付けます。
  2. 科学技術が環境や社会に及ぼす影響や効果を理解し、市民としての社会に対する責任の重さについて自覚をもちます。

総合力

  1. 知識情報システム・環境システム・マネジメントの基本的知識を身につけた上で、現象をひとつの側面からとらえるのではなく、多様な要素の相互作用としてとらえることによって現代の問題群の実像を理解するシステム的思考力、複数の領域の知識を横断的に用いて実社会における問題を特定・分析・解決する領域横断的応用力を獲得します。
  2. データを用いて事実を把握し、自らの考えを客観的データにより検証する能力を身に付けます。

コミュニケーション能力

  1. 日本語による論理的な表現力、プレゼンテーション能力、討議などのコミュニケーション能力を身に付けるとともに、英語などによる外国語による読解力、リスニング力、表現力を身に付けます。

自主学修・プロジェクト

  1. 自ら調査・学修する自主性を身に付けるとともに課題に粘り強く取り組むことができる継続的学修能力を身に付けます。
  2. グループで協議して問題解決を進め、プロジェクトを総合的にまとめる能力を身に付けます。

ディプロマ・ポリシー(学修評価・学位の授与方針)

現代システム科学域において所定の期間在学して各学類が定める単位を取得し、以下の能力を身につけた学生に学位を授与する。

知識・技能

  1. (多目的視点)自然科学、社会学、人間科学に関する幅広い知識・技能を持ち、事象を多面的に捉えることができる。
  2. (データ活用力)客観的なデータを用いて正確に分析・判断ができ、自らの考え方を説明することができる。
  3. (コミュニケーション能力)複数の言語の知識・技能を活用して、多様な人々とコミュニケーションすることができる。

思考力・判断力・表現力

  1. (システム的思考力)現象を多様な要素の影響の関係性として捉えることによって、問題の本質を理解することができる。
  2. (領域横断的応用力)複数の領域の知識を横断的に用いて、問題を概念化して共通性を抽出し、分析・解決することができる。
  3. (表現力)自らが行った問題解決への筋道を適切な表現法を用いて説明することができる。

サステイナビリティ志向性

  1. (社会的責任)自ら獲得した学問的知見を基に、つねに既存の社会の倫理を見直していこうとする責任を自覚することができる。
  2. (サステイナブル志向)サステイナブルな社会の実現を目指し、他者と協働して課題解決に粘り強く取り組むことができる。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)

学位授与に必要とされる能力(ディプロマポリシー)を養うために、以下の方針で教育課程を編成する。

知識・技能

  1. 幅広い知識・技能を持ち、事象を多面的に捉えることができる能力を養うために、教養科目、基盤科目の中に多様な科目を配置する。
  2. 知識情報システム学類、環境システム学類、マネジメント学類のそれぞれで必要となる専門知識を修得させるため、座学と演習から構成される専門基礎科目、学域共通科目、学類専門科目を体系的に配置する。
  3. 客観的なデータを用いて正確に分析・判断できる能力を養うために、基盤科目、専門基礎科目、学類専門科目の中にデータサイエンス系科目を配置する。
  4. 複数の言語を用いて多様な人々とコミュニケーションできる能力を養うために、基盤科目、学類専門科目の中にコミュニケーション系科目を配置する。

思考力・判断力・表現力

  1. 現象を多様な要素の影響の関係性として捉えることによって、問題の本質を理解することができる力(システム的思考力)を養うために、学域共通科目、学類専門科目の中にシステム系科目を配置する。
  2. 複数の領域の知識を横断的に用いて、問題を概念化して共通性を抽出し、分析・解決することができる力(領域横断的応用力)を養うために、座学と演習から構成される学域共通科目、他学類専門科目を配置する。
  3. 自らが行った問題解決への筋道を適切な表現法を用いて説明することができる力を養うために、導入科目、学類専門科目の中にプレゼンテーションを課す科目を配置する。

サステイナビリティ志向性

  1. 持続可能性に関する基本的知識を身に付け、市民としての社会的責任を自覚する能力を養うために、学域共通科目の中に倫理系科目を配置する。
  2. 自ら課題を発見して取り組む継続的学習能力、他者と協働して課題解決に取り組むことができる能力を養うために、演習形式による学類専門科目の中にPBL(Project Based Learning)系科目を配置する。

なお成績評価の基準は以下の通りとする。

  1. 成績評価は、学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)を踏まえ、授業科目ごとに「到達目標」を設定し、履修者の到達目標に対する達成度に応じて、履修規程第14条に定めた基準に沿って、A+からDの評語で評価する。特に、単位修得(C以上)の基準を到達度として明記する。
  2. 学期ごとに全ての授業の成績分布を集計し、到達目標の達成度について組織的に検討し、改善をはかる。
  3. 成績評価は、達成度の絶対評価を基本として行うが、受講者数が少ない科目を除き、偏った評語の分布にならないように努力する。また、偏った分布になった場合はその原因を分析し、次期以降に改善をはかる。

最後に成績評価の方法は以下の通りとする。

  1. 成績評価は、最終の定期試験のみに偏重することなく、レポート、プレゼンテーション、学修態度等の多様な要素を組みあわせて到達目標の達成度を評価する。なお、授業への出欠状況は成績評価には使わない。
  2. 具体的な評価方法は、授業担当教員が決定し、評価の基準、評価に用いる項目の配分を含めて、シラバスを通じて学生に事前に提示する。

アドミッション・ポリシー(学生受入の方針)

グローバル化の進行によって社会の変化が加速し、技術革新がもたらす影響範囲も拡大した現代においては、複数の分野の専門的知識を効果的に組み合わせるシステム的思考力が必要とされています。現代システム科学域は、情報、環境、マネジメントの3つの領域の基礎を学ぶことにより領域横断的な思考法、発想法を養います。さらに、それを基礎としてひとつの専門領域について深く学ぶことにより、従来の枠組みにとらわれず、様々な学問領域の成果を組み合わせて問題解決を図る能力を育てます。

したがって、現代システム科学域では次のような学生を求めています。

  1. 情報、環境、マネジメントのいずれかまたは複数に対する関心があり、それらについて学ぶための基礎的知識をもっている人
  2. 論理的な思考力と自ら学ぶ探求心を備え、勉学意欲に溢れる人
  3. 国際的視野をもって地域社会や国際社会に貢献することをめざす人
  4. 高い倫理観をもって問題解決に取り組む意欲をもっている人

以上に基づき、次の1~5の能力や適性を身につけた学生を選抜します。

  1. 高等学校における教科・科目を文理ともに広く学習し、高い基礎学力を有していること
  2. 英文を読んで理解するための基礎的な能力を身につけていること
  3. データを取り扱うための基礎的な数学的素養を学んでいること
  4. 論理的な思考力を備えていること
  5. 他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができること

一般選抜(後期日程)

高等学校における教科・科目を文理ともに広く学習し、高い基礎学力を有していることを、大学入学共通テスト、調査書によって評価します。また、英文を読解する能力、基礎的な数学的素養および論理的な思考力を備えていることを、大学入学共通テストの外国語、数学、国語によって評価します。さらに、他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができることを、調査書によって評価します。

帰国生徒特別選抜

大学で学習するための基礎学力を有していることを、最終出身学校の成績証明書によって評価します。また、英文を読解する能力を有していることを、TOEFLの成績によって評価します。また、基礎的な数学的素養を有していること、および他者を理解し、主体的に学習に取り組むことができることを、数学Ⅰ・Ⅱの内容を含んだ口頭試問・面接によって評価します。さらに、論理的な思考力を備えていることを、小論文によって評価します。